「部屋を片付けたいけど、何から手をつければいいかわからない」「片付けてもすぐにリバウンドしてしまう」そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。整理収納は、正しいやり方さえ覚えれば誰でも実践できるスキルです。この記事では、整理収納の初心者が最初に知っておくべき考え方から、具体的な実践テクニックまでを丁寧に解説します。

整理収納を始める前に知っておきたい「整理」と「収納」の違い
整理収納に取り組む前に、まず「整理」と「収納」はまったく別の作業だということを理解しておきましょう。
「整理」とは、持ち物を見直して必要なものと不要なものを分ける作業です。一方、「収納」とは、整理して残ったものを使いやすい場所にしまう作業を指します。多くの人がやりがちなのが、整理をせずにいきなり収納から始めてしまうこと。不要なものが混ざったまま収納しても、結局すぐに散らかってしまいます。
整理収納アドバイザーの間でも、「整理が8割、収納が2割」と言われるほど、整理の工程が重要視されています。まずはモノの量を適正にすることが、片付け成功の鍵です。
- 整理=モノを選別する作業(いる・いらないを判断する)
- 収納=選別後のモノを使いやすくしまう作業
- 必ず「整理→収納」の順番で進めること
初心者がまず取り組むべき3つの準備
1. 片付けのゴールイメージを決める
漠然と「きれいにしたい」と思うだけでは、途中で挫折しやすくなります。「リビングのテーブルの上に何も置かない状態にする」「クローゼットの服を半分に減らす」など、具体的なゴールを設定することが大切です。ゴールが明確であれば、達成感も得やすくなります。
2. 片付けるエリアを限定する
家全体を一気に片付けようとすると、時間も体力も足りなくなり、途中で投げ出してしまいがちです。まずは「引き出し1つ」「棚の1段」など、30分以内で終わる小さなエリアから始めましょう。
プロの整理収納アドバイザーがおすすめする最初のエリアは、キッチンや洗面台の下の収納です。思い出のモノが少なく、カテゴリーが限定されているため、判断に迷いにくいという特徴があります。
3. ゴミ袋と分類用の箱を用意する
作業を始める前に、ゴミ袋を数枚と、仮の分類用の箱やカゴを3つほど準備しておきましょう。「残すもの」「処分するもの」「迷うもの」の3つに分ける際に使います。

整理収納の実践4ステップ
ステップ1:モノを全部出す
片付けるエリアを決めたら、そこにあるモノをすべて取り出すことから始めます。「全部出す」と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、これをやることで持ち物の全体像が把握でき、同じようなモノを何個も持っていたことに気づけます。
全部出したあとは、空になった収納スペースを軽く拭き掃除しておくと、気持ちよく次のステップに進めます。
ステップ2:「いる」「いらない」を判断する
取り出したモノを1つずつ手に取り、「過去1年以内に使ったかどうか」を基準に仕分けます。1年以上使っていないモノは、今後も使う可能性が低いと考えて問題ありません。
判断に迷うモノは「保留ボックス」に入れ、1か月後に再判断しましょう。迷った状態で無理に捨てると後悔の原因になりますし、迷ったまま残し続けるとモノが減りません。期限を決めて見直すのがコツです。
家族のモノを勝手に処分するのは厳禁です。本人に確認を取ってから判断してもらいましょう。共有スペースのモノも、家族と相談しながら進めることが大切です。
ステップ3:カテゴリごとにグループ分けする
残すと決めたモノを、用途やジャンルごとにグループ分けします。たとえば文房具なら「書くもの」「切るもの」「貼るもの」といった具合です。このグループ分けをしておくと、次の収納ステップがスムーズに進みます。
ステップ4:使いやすい場所に収納する
グループ分けしたモノを、使う場所の近くに収納していきます。このとき意識したいのが「使用頻度」です。毎日使うモノは手の届きやすい高さ(目線から腰の高さ)に、あまり使わないモノは上段や下段に配置します。
収納の際は、ディノスの収納プロが推奨する「7割収納」を意識してみてください。収納スペースの7割程度にとどめておくと、出し入れがしやすく、見た目もすっきりします。
リバウンドを防ぐための3つの習慣
習慣1:「モノの住所」を決める
すべてのモノに「定位置(住所)」を決めることが、散らからない部屋の最大の秘訣です。使ったら必ず元の場所に戻すだけで、部屋は散らかりにくくなります。家族で暮らしている場合は、全員がわかる場所に定位置を設定することが重要です。
習慣2:「1つ買ったら1つ手放す」ルール
新しいモノを買うときは、同じカテゴリのモノを1つ手放すルールを設けましょう。これにより、モノの総量が増え続けることを防げます。買い物前に「どこに収納するか」をイメージできない場合は、購入を見送るのも賢い選択です。
習慣3:「5分片付け」を毎日の習慣にする
毎日たった5分でいいので、片付けの時間を作りましょう。寝る前の5分間、テーブルの上やソファの上に置きっぱなしのモノを元に戻すだけでも効果は絶大です。日本整理収納協会でも、短時間の片付け習慣が推奨されています。

初心者がやりがちな失敗とその回避方法
失敗1:最初に収納グッズを買ってしまう
片付けのモチベーションが上がると、つい収納ボックスやケースを買いに行きたくなります。しかし、整理する前に収納グッズを買うのは最大の失敗パターンです。モノの量が把握できていない状態で買うと、サイズが合わなかったり、そもそもグッズ自体が余分なモノになってしまいます。
収納グッズは、整理が終わってから必要な分だけ購入しましょう。
失敗2:一気にやろうとする
「週末にまとめて片付けよう」と意気込んで、家全体を一度に片付けようとすると、途中で疲れ果てて逆に散らかった状態で終わることがあります。1回の作業は長くても2~3時間に留め、エリアを区切って進めましょう。
失敗3:思い出のモノから始めてしまう
写真や手紙、記念品などの思い出のモノは、捨てるかどうかの判断に時間がかかり、作業が進みません。思い出のモノは最後に回し、まずは日用品や消耗品など判断しやすいカテゴリから取り組むのが正解です。
整理収納の効果を実感できるタイミング
整理収納に取り組み始めてすぐに効果を感じられるとは限りません。しかし、小さなエリアでも片付けが完了すると、「探し物の時間が減った」「朝の支度が早くなった」といった変化を感じられるようになります。
ダスキンの調査によると、整理整頓を習慣化した人の多くが「ストレスの軽減」や「時間の余裕」を実感しているそうです。目に見える変化は小さくても、暮らしの質は確実に向上していきます。
- 小さなエリアの片付けでも、達成感と効果は十分に感じられる
- 探し物が減る・支度が早くなるなどの時短効果が期待できる
- 習慣化すればストレス軽減にもつながる
Q&A:整理収納の初心者によくある質問
Q. 捨てるのがもったいなくて進みません
「もったいない」と感じるのは自然なことです。ただ、使っていないモノをしまい込んでいる状態こそ「もったいない」とも言えます。フリマアプリやリサイクルショップを活用すれば、必要としている人の手に渡りますし、多少のお金にもなります。「捨てる」以外の選択肢を持つことで、手放しやすくなります。
Q. 家族が片付けに協力してくれません
まずは自分の持ち物やスペースから始めてみましょう。片付いたスペースの心地よさを家族が体感すれば、自然と協力してくれるようになることが多いです。無理に強制せず、「片付けると気持ちいいね」という空気を作ることが大切です。
Q. 収納スペースが少ないのですが
収納スペースが少ない場合は、まずモノの量を見直すことが最優先です。収納を増やすのではなく、モノを減らす方向で考えましょう。それでも足りない場合は、突っ張り棒や吊り下げ収納、壁面収納などのデッドスペース活用術が役立ちます。
Q. どのくらいの期間で片付きますか
片付けにかかる期間は人それぞれですが、毎日15分ずつ取り組めば、1部屋あたり1~2週間で見違えるほどきれいになります。焦らず、自分のペースで進めることが長続きのコツです。

整理収納を習慣化するためのスケジュール例
平日のルーティン(所要時間:計15分)
忙しい平日でも、短い時間を区切って整理収納を習慣にすることができます。朝起きたらまず5分間、前日に使ったモノを定位置に戻す時間を設けましょう。ベッドを整え、テーブルの上に置きっぱなしのモノを片付けるだけで、1日のスタートが気持ちよくなります。
帰宅後は、カバンの中身を定位置に戻し、届いた郵便物を仕分けます。この作業は5分もかかりません。そして寝る前の5分で、リビングのリセットを行いましょう。ソファの上のクッションを整え、テーブルの上をゼロにするだけで翌朝のすっきり感が違います。
休日のルーティン(所要時間:30分~1時間)
週末には、1つのエリアを選んで集中的に整理しましょう。おすすめは月ごとにエリアをローテーションする方法です。たとえば、第1週はキッチン、第2週はクローゼット、第3週は洗面所、第4週はリビングというサイクルで回すと、家全体が少しずつきれいになっていきます。
休日の片付けでは、「手放すモノ」を選ぶ時間も確保しましょう。使っていないモノを3つ選んで、フリマアプリに出品するか、ゴミ袋に入れる。これを毎週続けるだけで、月に12個以上のモノが家から出ていきます。
季節ごとの大整理(年4回・各2~3時間)
衣替えのタイミングに合わせて、各エリアの持ち物を全体的に見直しましょう。季節の変わり目は不要なモノに気づきやすいタイミングです。冬物を片付ける際に「今シーズン一度も着なかったコート」を手放す、夏の終わりに「使い切れなかった日焼け止め」を処分するなど、シーズンごとの見直しが効果的です。

プロが教える「モノの選び方」で整理収納がもっと楽に
整理収納を長く続けるためには、「モノを減らす」だけでなく「増やさない」ことも大切です。プロの整理収納アドバイザーは、モノを購入する際に以下の基準を持っています。
- 「収納場所が思い浮かぶか」を買う前に確認する
- 「同じ用途のモノをすでに持っていないか」チェックする
- 「1年後も使っているイメージが湧くか」を考える
- 「手入れや管理にかかる手間」も含めて判断する
この4つの基準を持つだけで、衝動買いが減り、本当に必要なモノだけが手元に残る暮らしに近づけます。モノを厳選して買う習慣がつくと、整理収納にかける時間もどんどん短くなっていきます。
まとめ
整理収納のやり方は、「全部出す→選別する→グループ分けする→収納する」という4ステップが基本です。初心者の場合は、小さなエリアから始め、収納グッズは整理後に購入するという順番を守ることが成功の鍵になります。
リバウンドを防ぐには、モノの定位置を決める・1つ買ったら1つ手放す・毎日5分の片付け習慣を身につけることが効果的です。完璧を目指す必要はありません。今日からできる小さな一歩を踏み出してみてください。

