「整理収納を始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」。これは片付けの悩みの中で最も多い声です。整理収納は正しい順番で進めれば、誰でも確実に結果が出ます。この記事では、最初の一歩から完成までのロードマップを、具体的な判断基準とともに解説します。

整理収納を始める前に決めておくべき3つのこと
1. 「理想の暮らし」をイメージする
いきなり片付け始めるのではなく、まず「どんな暮らしがしたいか」を考えましょう。「朝の支度を15分で終えたい」「リビングでくつろげるようにしたい」など、具体的なイメージがあると片付けのモチベーションが持続します。
インテリア雑誌やSNSで理想の部屋の写真を集めておくのも効果的です。ゴールが見えていると、片付ける判断に迷いが減ります。
2. 片付ける順番を決める
最初に手をつけるべきは「思い出のモノが少ないエリア」です。DAIKENの整理収納ガイドでも推奨されていますが、キッチンや洗面所の収納は判断しやすいカテゴリのモノが多く、初心者に最適なスタート地点です。
おすすめの順番は以下の通りです。
- キッチン(賞味期限で判断しやすい)
- 洗面所・バスルーム(使い切りが明確)
- クローゼット(着たか着てないかで判断)
- リビング(家族の共有物を含む)
- 書類・書籍(情報系は判断に時間がかかる)
- 思い出のモノ(最も判断が難しい)
3. 作業に必要な道具を準備する
片付けを始める前に、以下の道具を用意しておきましょう。途中で買い出しに行くと作業の中断につながります。
- ゴミ袋(大・中)数枚
- 段ボール箱または紙袋3つ(残す・手放す・保留の仕分け用)
- 付箋やマスキングテープ(ラベル用)
- タイマー(時間を区切って作業するため)

ステップ1:モノを全部出して「見える化」する
片付けるエリアを決めたら、そこにあるモノをすべて取り出して一箇所に集めます。棚の奥に何があるか、引き出しの中に何が入っているか、全部出すことで初めて把握できます。
「こんなにあったの?」と驚く人がほとんどです。この「見える化」こそが、モノを減らすきっかけになります。同じようなモノが複数出てくることも珍しくありません。
ステップ2:4つの箱に仕分ける
取り出したモノを、以下の4つのカテゴリに仕分けていきます。
- よく使う:週に1回以上使うモノ
- たまに使う:月に1回~年に数回使うモノ
- 使っていない:1年以上使っていないモノ → 手放す候補
- 判断保留:迷うモノ → 保留ボックスへ(期限を設定)
仕分けの際は、1つのモノに30秒以上悩まないのがコツです。迷ったら保留ボックスに入れ、作業を止めないことが大切です。
他の家族のモノは勝手に仕分けず、本人に確認を取りましょう。特に子どものモノは、本人の意思を尊重することが大切です。
ステップ3:手放すモノを処分する
「使っていない」に仕分けたモノを処分します。処分方法は複数あります。
- 自治体のゴミ回収に出す
- フリマアプリ(メルカリなど)で売る
- リサイクルショップに持ち込む
- 寄付する
- 友人・知人に譲る
「捨てる」以外の選択肢を持っておくと、手放すハードルがぐっと下がります。ただし、フリマアプリでの出品は時間がかかるため、出品しないモノが溜まらないように期限を決めておきましょう。

ステップ4:残したモノを収納する
使用頻度に合わせて配置する
毎日使うモノは最も取り出しやすい位置に、たまに使うモノはその次に、ほとんど使わないモノは奥や高い場所に配置します。この「使用頻度別配置」が収納の基本です。
動線を意識して「使う場所の近く」にしまう
ドライヤーは洗面所、調理器具はコンロの近く、掃除道具は掃除する場所の近くに配置しましょう。使う場所としまう場所が一致していれば、「出したら戻す」が自然にできるようになります。
収納グッズは「最後に」買う
残したモノの量とサイズを把握してから、必要に応じて収納グッズを購入します。ニッセンの整理整頓特集でも指摘されていますが、先にグッズを買ってしまうと、サイズが合わなかったり無駄になったりすることが多いです。
ステップ5:仕組みを整えてキープする
ラベリングで「見える化」する
収納ボックスや棚にラベルを貼っておくと、家族全員が「どこに何をしまえばいいか」を把握できます。テプラやマスキングテープに手書きでも十分です。
「1 in 1 out」で量をキープ
新しいモノを1つ買ったら、同じカテゴリのモノを1つ手放すルールを設けることで、モノの量を一定に保てます。
月に1回の「プチ見直し」を習慣に
月に1回、10分だけでも各エリアを見渡して、使っていないモノや定位置からはみ出しているモノがないか確認しましょう。小さな見直しの積み重ねが、リバウンドを防ぐ最大の武器です。
- ラベリングで家族全員が片付けに参加しやすくなる
- 「1 in 1 out」でモノの量をコントロール
- 月1回のプチ見直しでリバウンド防止
Q&A:整理収納の始め方に関するよくある質問
Q. 時間がなくて始められません
1回の作業を30分に限定してみてください。引き出し1つ、棚1段でも十分です。短時間でも確実に進めることで、達成感が得られて次へのモチベーションにつながります。
Q. 一人暮らしと家族暮らしで進め方は違いますか
一人暮らしの場合は自分のペースで自由に進められます。家族暮らしの場合は、まず自分の持ち物から始め、共有スペースは家族と相談しながら進めるのがおすすめです。
Q. 保留ボックスの期限はどのくらいが適切ですか
1~3か月が目安です。期限が長すぎると保留ボックス自体が「モノ置き場」になってしまいます。カレンダーに見直し日を記入して、忘れず確認しましょう。

エリア別:最初の一歩の具体的な手順
キッチンから始める場合
キッチンは判断しやすいエリアの代表格です。まず冷蔵庫の中を確認し、賞味期限切れの食材を処分することから始めましょう。これだけで「片付けが進んだ」という達成感が得られます。
次に、シンク下やコンロ下の収納を確認します。使っていない調理器具や、中身の分からない調味料がないかチェックしましょう。キッチンは毎日使う場所なので、片付けの効果がすぐに実感できます。
キッチンの整理で特に注意したいのは、「いつか使うかも」のキッチングッズです。便利そうに見えて一度も使っていない調理器具は、思い切って手放しましょう。実際に使っている道具だけが残ると、料理の効率も格段に上がります。
洗面所から始める場合
洗面所も判断が簡単なエリアです。使い切ったボトル、サンプル品、期限切れのコスメを処分するだけで、洗面台の下がすっきりします。洗面所はスペースが限られているため、短時間で目に見える変化を感じられるのがメリットです。
シャンプーや洗剤のストックは「今使っているもの+予備1つ」に限定しましょう。大量ストックは収納を圧迫するだけでなく、使い切る前に新しいものに手を出してしまう原因にもなります。

クローゼットから始める場合
クローゼットは量が多いので、まずは「明らかに着ていない服」だけを抜き出すことから始めましょう。サイズが合わない服、毛玉だらけのニット、流行遅れの服など、迷わず判断できるものだけをまず手放します。
「好きだけど着ない服」は保留ボックスへ。1か月後に見返して、やはり着ていなければ手放す候補にします。ハンガーの向きを全部同じ方向にしておくと、着た服だけ向きが変わるため、本当に着ている服が一目でわかる裏技もあります。
整理収納の計画を立てるコツ
「片付けカレンダー」で計画を可視化する
カレンダーに「いつ・どこを・何分」片付けるかを書き込んでおくと、計画的に進められます。予定として書き込むことで、「やらなきゃ」ではなく「予定だから」と自然に取り組めます。
おすすめの計画例は以下の通りです。
- 1週目:キッチンの引き出し3つ(各30分)
- 2週目:洗面台の下+洗面台の上(各30分)
- 3週目:クローゼットのトップス+ボトムス(各30分)
- 4週目:リビングの棚+テレビ周り(各30分)
完了したエリアを記録してモチベーションを維持する
片付けが完了したエリアを記録していくと、「こんなに進んだ」という達成感が見える化されます。チェックリストにチェックを入れたり、ビフォーアフター写真をアルバムにまとめたりすると、やる気の維持に大きく役立ちます。
途中で止まっても自分を責めない
計画通りに進まないことは珍しくありません。忙しい日や体調が悪い日は、無理せずスキップしましょう。「止まっても何度でも再開できる」のが整理収納のいいところです。カレンダーの予定をずらして、自分のペースで続けていきましょう。
計画を立てすぎて実行できないと逆にストレスになります。最初は週1回・30分だけの計画から始め、慣れてきたら頻度を増やしましょう。
まとめ
整理収納の始め方は、「理想の暮らしをイメージ→順番を決める→全部出す→仕分ける→処分する→収納する→仕組みを作る」というロードマップで進めます。最初に手をつけるのは思い出が少ないエリアから、そして収納グッズは最後に買うのが鉄則です。
完璧を目指す必要はありません。今日、引き出し1つからでも始めてみてください。小さな一歩が、理想の暮らしへの確実な前進になります。

