実家の片付けや遺品の整理を始めると、着物、食器、古い掛け軸、集めていた切手、ラベルのついたビデオテープなど、「捨てるには忍びないけれど、置いておく場所もない」という品がたくさん出てきます。ごみとして出すのは気が引け、かといって、ひとつずつ向き合うには時間も気力も足りません。そのまま蓋を閉めてしまい、何年も先送りになっているご家庭は少なくないはずです。
この記事では、思い出のある品を手放す前に「家族で確認する」「記録を残す」「期限を決める」の順番を整理したうえで、着物・食器・骨董品・切手・ビデオテープの5つについて、買取や映像のDVD化といった手放し方の選び方をまとめます。買取サービスの内容は、公式サイトで確認できた範囲(2026年10月14日時点)に限って紹介します。広告を含む記事です。買取の査定額は品物の状態や相場で変わり、値段がつかない場合もあります。

捨てる前に決めておく3つの順番
思い出の品の整理で避けたいのは、気持ちが追いつかないうちに処分を進めて、あとから「あの品だけは残したかった」と悔やむことです。そのため、品物の話に入る前に、次の順番を決めておくことをおすすめします。
- 家族・親族に確認する:形見として欲しい人がいないか、先に声をかけます。亡くなった方の品は、相続や気持ちの面で、ひとりの判断だけでは進められないことがあるためです。
- 写真や一覧で記録を残す:手放す品も、手放す前に写真を撮り、品名・由来・気づいたことをメモしておきます。実物が手元になくなっても、思い出を振り返れます。
- 期限を決めて、残す・手放すを仕分ける:「今月は着物」「来月は食器」のように、品目ごとに期限を区切ります。迷う品は「保留箱」に入れ、見直す日を決めておくと、先送りになりにくくなります。
この順番を踏んでおくと、あとで手放し方を選ぶときも、「家族の了解は取れている」「記録は残してある」という安心のなかで判断できます。断捨離で後悔しないための判断基準は、次の記事にもまとめています。

品物ごとに、手放し方の候補を整理すると次のとおりです。
| 品物 | 主な手放し方の候補 | 先に確認したいこと |
|---|---|---|
| 着物・帯 | 買取・形見として残す・寄付 | 証紙や付属品の有無、家族の希望 |
| 食器 | 買取・フリマ・自治体のルールに沿った処分 | ブランド名、箱や付属品、欠けの有無 |
| 骨董品・古美術品 | 査定を受ける・形見として残す | 由来や所蔵の経緯、無理に掃除しない |
| 切手 | 買取・自分で整理して保管 | 種類、状態、シートやアルバムの有無 |
| ビデオテープ | DVDやデータに変換して残す・処分 | テープの種類、再生できる機器の有無 |
品物別の手放し方|買取が向く場合・向かない場合
ここからは品物ごとに、手放し方の考え方を見ていきます。買取業者の情報は、公式サイトの案内をもとにしています。買取は、査定を受けてみないと値段が分かりません。「売れるはず」と期待しすぎず、「値段がつかなければ別の方法を考える」という心づもりで進めるのが現実的です。
着物・帯|箪笥の中の着物は、状態を見てもらってから決める
箪笥にしまったままの着物は、実家の整理で話題に上りやすい品です。着る機会が減り、保管にも場所と手間がかかります。着物の買取を扱う「福ちゃん」(運営:株式会社REGATE)の公式サイトによると、着物のほか、丸帯・袋帯・名古屋帯などの帯、簪(かんざし)・帯留・帯締め・草履といった和装小物も買取の対象とされています。古い着物や、男性用の着物も査定の対象と案内されていますが、男性用は需要の関係で値段の提示が難しい品とも書かれています。
公式サイトでは、査定料・出張料・送料・キャンセル料といった手数料は一切かからないと案内されています。買取の方法は、出張・宅配・店舗の3種類です。また、着物の査定のポイントとして、品質や産地を示す証紙、撥水加工、未着用を示すしつけ糸が挙げられています。しつけ糸が残っているものは、取らずに置いておくとよいでしょう。
一方で、公式サイトにも「着物一枚がいくらになるかは、実際に見てみないと値段がつけられない」と書かれており、掲載されている買取実績の金額も、一事例であり、買取価格を保証するものではないとされています。思い出の着物が、期待した金額にならないこともあります。その場合は、形見分けとして家族で分ける、仕立て直して使う、といった選択肢も考えてみてください。
食器|箱がなくても査定は受けられるが、状態は見てもらう必要がある
食器は、数が多く重いため、手放すだけでも大仕事になりがちです。ブランドの洋食器や有田焼のように、思いがけず値段がつく品もありますが、日用品の食器は値段がつきにくいこともあります。まず、ブランド名や作家名が分かる刻印があるかを、裏面で確かめます。
福ちゃんの食器買取の案内では、食器として使えない状態を除き、多少の傷や汚れ、一部の欠け、箱や付属品がない食器でも、買取できる場合があるとされています。ただし、箱や付属品がそろっているほうが、買取価格は上がるという案内もあります。買取価格は、品物の状態・付属品の有無・在庫状況などで大きく変わるとも明記されています。
使い勝手のよい食器を残したい場合は、使う枚数の基準を先に決めておくと整理しやすくなります。枚数の考え方は、次の記事で整理しています。





骨董品・古美術品|価値が分からないときは、掃除より先に査定を
蔵や押し入れから出てきた掛け軸、茶道具、陶磁器、絵画などは、価値が分からないまま持て余しやすい品です。自己流で磨いたり、汚れを落としたりすると、かえって価値を損なうことがあるため、先に専門の査定を受けるほうが安全です。福ちゃんの骨董品買取の案内でも、損傷や破損の恐れがあるため、無理に掃除をする必要はないとされています。
同じ案内では、掛け軸・勲章・絵画・西洋装飾・茶道具などが取扱いの例として挙げられ、遺品整理や、蔵・実家の整理をしたい方からの依頼も多いとされています。「とりあえず査定だけ依頼することも可能」と案内されているので、売るかどうかを決める前に、価値を知るための入り口として使う方法もあります。
ただし、骨董品の価値は、作者・時代・状態・来歴などの条件で大きく変わります。家の中にあるからといって高額とは限らず、値段がつかないこともあります。家族にとって大切な品は、値段ではなく「残す」と決めるという判断も、十分に正しい選択です。
切手|集めていた切手は、種類と状態を見て分ける
実家から出てきた切手帳やアルバムは、整理に迷いやすい品のひとつです。福ちゃんの切手買取の案内では、バラ切手・切手シート・小型シート・切手アルバムが査定の対象とされ、日本切手のほか中国切手など、普通切手・記念切手・年賀切手などが挙げられています。価値が分からない切手でも査定してもらえるとされており、状態が悪い切手は、実際に見ないと判断できないという案内です。
気をつけたいのは、掲載されている種類の切手でも、在庫状況などで買取できない場合があると公式に書かれている点です。額面より高く売れる切手もあれば、額面を下回る切手もあります。自分で価値を判断しきれないときは、数を絞らずにまとめて査定を受けるほうが、効率的です。
ビデオテープ|売るのではなく、映像を残してから手放す
ビデオテープは、ほかの4つと違って、買取よりも「映像を別の形に残してから、テープを手放す」のが基本です。家族の運動会や旅行、結婚式の映像は、実家から出てきたときに初めて存在を知ることもあります。ただ、再生する機器が手元になかったり、テープ自体が劣化していたりすることも多く、置いたままにしているうちに、見られなくなるおそれがあります。
VHSや8mm、miniDVなどのテープをDVDやデータに変換するサービスのひとつが、株式会社グッドヒルシステムズが運営する「ダビングコピー革命」です。公式サイトによると、VHS・S-VHS・VHS-C、8mm・Hi8、miniDV、ベータなどのビデオテープのほか、8mmフィルム、カセットテープ、MDなども対象とされています。テープからDVDへのダビングは、1本あたり990円(税込)と案内され、カビの軽度・重度のクリーニングや、テープ切れの修復代は基本料金に含まれ、収録時間による追加料金もありません。DVDメディアとケースも料金に含まれ、10分ごとのチャプターを付けたメニュー画面も無料と案内されています。
費用面では、納品時の送料が全国一律660円(沖縄・離島は1,100円)で、5,500円以上の注文で無料になると案内されています。一方、テープを送る側の送料は利用者の負担です。キャンセルは、テープの配送前や作業前であれば連絡できますが、作業に着手したあとのキャンセルは受け付けられないとされています。納期は、申込みの時期や内容によって変わるため、公式サイトで確認してください。
買取・処分・保管を比べる考え方
手放し方には、買取のほかに、自治体のルールに沿った処分、フリマアプリ、寄付、そして処分せずに保管するという選択肢もあります。品物ごとに、何を優先するかで選び方は変わります。
| 方法 | 向く場合 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 買取 | 状態がよく、価値がありそうな品。手間を減らしたい | 値段がつかないこともある。査定額は状態や相場で変わる |
| 処分 | 傷みが大きい・値段がつかなかった品 | 自治体の分別ルールや、粗大ごみの申込みが必要な場合がある |
| 保管 | まだ手放す決心がつかない品・家族で相談したい品 | 置き場所が必要。保管料がかかる場合もある |
| 形見分け・寄付 | 思い入れが強く、人に引き継ぎたい品 | 受け取る側の意向を確認する |
処分方法の詳しい使い分けは、次の記事で整理しています。



手放す決心がつかない品については、すぐに結論を出さず、宅配型の収納サービスに預けて時間を置くという方法もあります。サービスの料金やプランの選び方は、次の記事で確認できます。



量が多すぎて、自分たちだけでは進められないと感じたときは、片付けを代わりに進めてもらう方法もあります。プロに頼むときの考え方は、次の記事で紹介しています。



高齢の親御さんの家を片付ける場合は、本人の気持ちを聞きながら進めることが大切です。家族・業者・公的サービスの使い分けは、こちらの記事が参考になります。





手放すときの注意点
- 査定額は、品物の状態や相場で変わり、値段がつかない場合もあります。金額を前提に、ほかの予定を組まないようにしましょう。
- 査定は、1社だけで決めず、ほかの業者や方法と比べると納得しやすくなります。急かされたときは、その場で決めずに、いったん持ち帰って考えましょう。
- 買取では、古物営業法にもとづく本人確認が行われます。福ちゃんの公式サイトでは、運転免許証・マイナンバーカード・在留カードなどのうち、いずれか1つの提示が案内されています。宅配買取は事前の申込みが必要で、未成年は利用できません。
- 宅配で送るときは、配送中の破損について、事業者が保証しないと案内されている場合があります。大切な品は、出張や店舗など、手渡しできる方法も比べましょう。
- 遺品の場合は、相続人や親族の同意を先に取っておくことが、あとのトラブルを防ぎます。
- 電話番号・住所・本人確認書類など、個人情報を扱う手続きです。申込み先が実在する業者かを、公式サイトの会社概要などで確かめてから進めましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 思い出の品は、いつ手放すのがよいですか?
A. 決まった時期はありません。家族で形見分けの話し合いが終わり、写真などの記録を残してからが、ひとつの目安です。気持ちの整理がつかない品は、保留箱に入れて、見直す日を決めておくと進めやすくなります。
Q. 値段がつかなかった場合は、どうなりますか?
A. 査定の結果、値段がつかないこともあります。その場合は、買取を断って、自治体のルールに沿って処分する、形見として残す、寄付する、といった別の方法を選べます。福ちゃんの公式サイトでは、査定後に断った場合でも、査定料や出張料は発生しないと案内されています(着物の場合)。
Q. 汚れた着物や、箱のない食器でも査定してもらえますか?
A. 福ちゃんの公式サイトでは、古い着物も査定の対象とされ、食器は、使えない状態を除いて、多少の傷や汚れ、箱や付属品がない場合でも買取できる場合があるとされています。ただし、実際の可否や金額は、品物を見てからの判断です。
Q. ビデオテープは、カビが生えていてもDVD化できますか?
A. ダビングコピー革命の公式サイトでは、カビのクリーニングや、テープ切れの修復代が基本料金に含まれると案内されています。ただし、最初から切れているテープは無料修理の対象外という注記もあるため、状態に不安があるときは、申込み前に問い合わせて確認しましょう。
Q. 遺品の買取は、家族の同意がなくても進められますか?
A. 親族の間でトラブルにならないよう、相続人にあたる方の同意を取ってから進めるのが基本です。品物によっては、形見分けの希望が出ることもあるため、手放す前に一度声をかけておきましょう。
Q. 複数の品物を、まとめて査定してもらえますか?
A. 福ちゃんでは、着物・食器・骨董品・切手などの品目ごとに案内ページが分かれていますが、公式サイトには、出張買取は1点からでも相談できると案内されています。複数の品がある場合の進め方は、申込み時に問い合わせて確認してください。
まとめ:思い出の品は、順番を決めてから、品物に合った方法で手放す
思い出のある品を手放すときは、家族への確認・記録・期限の順番を先に決めておくことが、後悔を減らす近道です。そのうえで、着物・食器・骨董品・切手は査定を受けて買取を検討し、値段がつかなければ処分や形見分けに切り替える。ビデオテープは、映像をDVDやデータに残してからテープを手放す。このように、品物ごとに手放し方を選べば、気持ちの負担も少なくなります。
査定額や条件は、品物の状態や時期で変わります。申込みの前に、公式サイトで最新の案内を確認してください。



