「整理収納を始めたいけど、どこから手をつければいいかわからない」という声はとても多く聞かれます。やる気はあるのに、部屋を見渡すと途方に暮れてしまう――そんな経験はありませんか。
結論から言えば、「小さい場所」から「判断が簡単なもの」で始めるのが正解です。いきなりクローゼットや押し入れのような大物に手を出すと、途中で力尽きて逆に散らかった状態で止まってしまうことがあります。
この記事では、整理収納の始め方を「どこから」「どんな順番で」「どうやって」進めればいいか、具体的に解説します。この通りに進めれば、初心者の方でも失敗なく取り組めるはずです。

整理収納を始める場所の選び方3原則
「どこから始めるか」で整理収納の成否が大きく左右されます。以下の3原則を基準に場所を選びましょう。
原則1:小さい場所から始める
引き出し1つ、棚1段、カゴ1つ。15分以内に完了する範囲から始めるのが鉄則です。小さい場所なら「全部出す→仕分ける→戻す」のサイクルを短時間で一周できるため、達成感を味わいやすくなります。
この達成感が非常に大切です。「やればできた」と思えることで、次のエリアに手をつけるモチベーションが生まれます。
原則2:判断が簡単なものがある場所から始める
期限切れの食品、壊れた文房具、使い切ったコスメの空容器。「これは明らかにいらない」と迷わず判断できるものが多い場所を最初に選びましょう。
逆に、思い出の品や高価なものがある場所は後回しにします。感情的な判断が必要なものは、整理に慣れてから取り組む方がうまくいきます。
原則3:毎日使う場所から始める
毎日使う場所を整理すると、毎日「スッキリした」と実感できます。洗面所、キッチン、リビングのテーブル周りなど、使用頻度が高い場所ほど成果を体感しやすいです。
逆に、納戸や物置のように普段使わない場所から始めると、整理しても日常に変化を感じにくく、モチベーションが続きにくくなります。
始める場所選びの3原則:
- 小さい場所(引き出し1つ、棚1段)
- 判断が簡単なもの(期限切れ、壊れたもの)
- 毎日使う場所(洗面所、キッチンなど)
この3つを満たす場所からスタートすれば、まず失敗しません。
難易度順!整理収納のスタート場所
3原則をふまえて、難易度の低い順におすすめの場所を紹介します。上から順に取り組んでいけば、自然と整理収納のスキルが身についていきます。
難易度1:財布・ポーチの中
所要時間は約5分です。レシート、期限切れクーポン、使っていないポイントカード、古いお守り……。パンパンの財布をスッキリさせるだけで、「整理できた」という小さな自信がつきます。ポーチの中も同様です。使い切ったリップや古いティッシュ、もらったけれど使っていない試供品を整理しましょう。
難易度1:冷蔵庫
所要時間は約15分です。賞味期限切れの食品、使いかけで放置している調味料、乾燥した薬味。判断基準が「期限切れかどうか」なので非常にシンプルです。冷蔵庫は毎日開ける場所なので、スッキリすると気分も上がります。
ドアポケット→野菜室→冷凍室→メインの棚の順に進めるとスムーズです。

難易度2:洗面台・洗面所
所要時間は約20分です。試供品の山、使い切ったボトル、古い歯ブラシ、いつのかわからないヘアゴム。洗面台の引き出しや鏡裏収納は狭いスペースなのですぐ終わります。毎朝の支度がスムーズになるのを実感できるでしょう。
難易度2:文房具・デスク周り
所要時間は約20分です。インクの出ないペン、同じボールペンが5本、使っていない修正テープ、古いメモ帳。文房具は判断が簡単なものが多いカテゴリです。ペン立てに入る本数だけ残して、残りは手放しましょう。
難易度3:キッチンの引き出し・棚
所要時間は30分〜1時間です。調味料、食品ストック、食器、調理器具。ものが多いキッチンは少し時間がかかりますが、判断基準は明確です(期限切れ・重複・壊れている)。引き出し1つずつ進めましょう。
ニトリのキッチン収納グッズは人気がありますが、購入するのは整理が終わってからです。ものの量が確定する前にグッズを買うと、サイズが合わないことがあります。
難易度3:靴箱・玄関
所要時間は約30分です。履かなくなった靴、片方しかないスリッパ、壊れた傘。靴は「この1年で履いたかどうか」で判断します。靴箱に入る量だけにして、たたきに出す靴は1人1足までをルールにすると玄関がスッキリします。
難易度4:クローゼット・衣類
所要時間は2〜3時間です。服は量が多い上に感情的な判断が入りやすいため、ある程度整理に慣れてから取り組みましょう。季節の変わり目のタイミングがおすすめです。衣替えと同時に行えば効率的に進められます。
難易度4:本棚・書類
所要時間は2〜3時間です。本は「知識を捨てる罪悪感」があるため手放しにくいカテゴリです。「内容を覚えているか」「この先読み返すか」で判断しましょう。書類は「法的に保管が必要かどうか」で仕分けると迷いが減ります。
難易度5:思い出の品・写真
所要時間は人によります。写真、手紙、子どもの作品、記念品。感情的な判断が最も必要な場所なので、整理収納に十分慣れてから最後に取り組むのがベストです。写真に撮ってデジタル保存してから手放す方法も有効です。

効率的な整理収納の進め方
場所が決まったら、実際にどう進めるかを見ていきましょう。
「全部出す→分ける→しまう」の3ステップ
どの場所でもやることは同じです。
(1)選んだエリアのものを全部出す。(2)「使ってる」「使ってない」で分ける。(3)使っているものだけを使いやすく収納する。
この3ステップを各エリアで繰り返すだけです。シンプルですが、この順番を守ることが非常に重要です。特に「全部出す」を省略して「いるものだけ抜き出す」方式にすると、結局ものの量が減らず失敗しやすくなります。
1日1エリア、15〜30分ルール
一気にやろうとすると疲れて途中で止まってしまいます。1日1エリア、15〜30分が理想的なペースです。毎日続けても負担にならず、1〜2週間で家全体がスッキリします。
取り組む時間帯は朝がおすすめです。判断力が高い午前中の方が、仕分けの精度が上がる傾向にあります。
「捨てる」ではなく「手放す方法」を先に決める
手放すものの行き先を事前に決めておくとスムーズに進みます。ゴミ袋(自治体の回収ルールを確認)、メルカリ出品用の箱、リサイクルショップに持ち込む紙袋、この3つを用意しておきましょう。
手放す先が決まっていると、「捨てるのは嫌だけどメルカリなら……」と気持ちの整理がつきやすく、仕分けのスピードも上がります。
整理収納の始め方でよくある失敗と対策
| 失敗パターン | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 収納グッズを先に買ってしまう | ものの量が確定していない | 整理が終わってからサイズを測って購入する |
| 家全体を一気にやろうとする | やる気がMAXの日に無理をする | 1日1エリアずつ確実に完了させる |
| 思い出の品から始めてしまう | 感情が揺さぶられて判断疲れする | 冷蔵庫や文房具など感情が入りにくいものから |
| 家族に強制する | 「片付けて」と言って喧嘩になる | 自分のスペースの成果を見せて共感を得る |
| ゴールを決めずに始める | どこまでやればいいかわからない | 「この引き出しを8割収納にする」等の具体的目標を設定 |
最もよくある失敗は「家全体を一気にやろうとする」ことです。リビングを全出しした状態で力尽きると、片付ける前より散らかった状態になってしまいます。必ず1エリアずつ完了させてから次に進みましょう。
モチベーションが続く工夫
ビフォーアフター写真を記録する
毎回のエリア整理の前後に写真を撮りましょう。1週間分の写真を見返すと「こんなに変わった」という達成感を得られます。Instagramで#整理収納や#ビフォーアフターのハッシュタグで投稿すれば、いいねやコメントがもらえてモチベーションアップにもつながります。
チェックリストを作る
「財布→冷蔵庫→洗面台→文房具→キッチン……」のように場所のリストを作り、終わったら線を引いて消していきましょう。リストが埋まっていく達成感は、整理を続ける原動力になります。
整理した場所の使い心地を味わう
整理した引き出しをスッと開けて、すぐに目的のものが取り出せる。この快適さを意識的に味わってみてください。「以前は探していたのに、今はすぐ見つかる」という比較が、整理の価値を実感させてくれます。
理想の部屋のイメージを持つ
RoomClipやPinterestで理想の部屋の写真を保存して、定期的に見返すのも効果的です。「こんな部屋にしたい」というゴールイメージがあると、1つ1つの整理作業に意味を感じられるようになります。

よくある質問(Q&A)
Q. 整理収納を始めるのに特別な道具は必要ですか?
A. 特別な道具は不要です。ゴミ袋と「保留ボックス」用の段ボール箱があれば十分始められます。収納グッズは整理が完了して必要なサイズがわかってから購入しましょう。
Q. 家族のものが多くて片付けが進みません。
A. まずは自分のものだけを整理しましょう。家族のものを勝手に処分するとトラブルの原因になります。自分のスペースがスッキリした姿を見せることで、家族も「やってみようかな」と思ってくれるケースが多いです。
Q. 賃貸住まいでも整理収納は効果がありますか?
A. 賃貸でも十分に効果があります。壁に穴を開けられない場合は、突っ張り棒やフックを活用した収納がおすすめです。限られたスペースだからこそ、ものの量をコントロールする整理収納の基本が活きてきます。
Q. やる気が出ない日はどうすればいいですか?
A. やる気が出ない日は休んで構いません。「毎日やらなければ」と義務にすると続きません。その代わり、やる気がある日に「今日は引き出し1つだけ」と決めて短時間で取り組みましょう。
Q. 整理収納と断捨離の違いは何ですか?
A. 断捨離は「ものを手放すこと」に重点を置いた考え方です。整理収納は「残したものを使いやすく配置すること」まで含みます。ものを減らすだけでなく、日常の使い勝手を向上させる仕組みづくりまでが整理収納です。
まとめ:小さく始めて、ゆっくり広げていこう
- 始める場所は「小さい・判断が簡単・毎日使う」の3原則で選ぶ
- 財布や冷蔵庫など難易度の低い場所からスタートする
- どの場所でも「全部出す→分ける→しまう」の3ステップ
- 1日1エリア、15〜30分のペースで進める
- ビフォーアフター写真やチェックリストでモチベーションを維持
- 思い出の品は最後に取り組む
整理収納の始め方で一番大切なのは、「完璧にやること」ではなく「始めること」です。財布の中のレシート整理だって、立派な整理収納の第一歩になります。
小さい場所から、判断が簡単なものから、毎日使う場所から。この3原則で場所を選んで、「全部出す→分ける→しまう」の3ステップで進めてみてください。


