賃貸住宅に住んでいると、「収納が足りないけど壁に穴は開けられない」「原状回復が心配で棚も付けられない」と悩む方は多いのではないでしょうか。しかし、壁を傷つけずに収納スペースを増やす方法はたくさんあります。
この記事では、賃貸でも安心して実践できる収納アイデアを、アイテム別・場所別に詳しく紹介します。退去時の原状回復を気にせず使える方法ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

賃貸で壁を傷つけない収納の基本知識
賃貸で収納を工夫する前に、まず知っておきたい基本知識を整理します。
原状回復のルールを正しく理解する
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、画鋲やピン程度の穴は通常の使用の範囲内とされています。つまり、画鋲で軽いものを掛ける程度なら費用を請求されないケースが多いです。ただし、契約書の特約に別の定めがある場合もあるので、入居時の契約書を確認しておきましょう。
壁の素材を確認する
壁の素材によって使えるアイテムが変わります。石膏ボードの壁にはピンフックや石膏ボード用の棚受けが使えます。コンクリートの壁には粘着テープ式のフックが適しています。マグネットが使えるスチールドアや冷蔵庫の側面も、見逃せない収納ポイントです。
壁の素材チェック方法
・壁をノックして軽い音がする → 石膏ボード(ピンフックOK)
・壁をノックして硬い音がする → コンクリート(粘着フック推奨)
・磁石がくっつく → マグネット収納が使える
つっぱり式アイテムで壁面収納を作る
賃貸の収納で最も頼りになるのが、つっぱり式のアイテムです。壁や天井に穴を開けずにしっかりと固定できるため、原状回復の心配がありません。
つっぱり棒で棚を増やす
つっぱり棒は100均でも手に入る手軽な収納アイテムです。靴箱の中を上下2段に仕切ったり、クローゼットの上部に追加の棚を作ったり、トイレの上部空間を収納スペースに変えたりと、使い方は自在です。
耐荷重に注意が必要で、軽いもの(タオルや小物)には細いつっぱり棒、重いもの(本やボトル類)には太めのつっぱり棒を選びましょう。滑り止めシートを貼ると落下防止になります。
ディアウォール・ラブリコで柱を立てる
ディアウォール(若井産業)やラブリコ(平安伸銅工業)は、2×4材(ツーバイフォー材)を使って床と天井の間に柱を立てるアイテムです。この柱にネジで棚板を取り付ければ、壁に穴を開けずに本格的な壁面収納を作れます。
ディアウォールはバネの力で固定するタイプ、ラブリコはバネに加えてネジ式ジャッキでさらにしっかり固定できるタイプです。設置のしやすさや耐荷重で選ぶと良いでしょう。ホームセンターで木材のカットサービスを利用すれば、工具がなくても簡単に導入できます。
つっぱりラック・つっぱりシェルフ
洗濯機の上やトイレの上など、デッドスペースに設置できるつっぱり式のラックやシェルフもあります。アイリスオーヤマやニトリから、さまざまなサイズのつっぱりラックが販売されています。設置場所の幅と高さを測ってから購入するのがポイントです。

粘着テープ・フックで手軽に収納を増やす
もっと手軽に収納を増やしたいなら、粘着テープ式のフックやホルダーがおすすめです。
3M コマンドフック
3Mのコマンドフックシリーズは、壁に貼って使えるフックです。剥がすときに壁を傷つけにくい設計になっているのが特徴で、耐荷重も製品ごとに明記されています。鍵、帽子、エコバッグなどの軽いモノの収納に向いています。
魔法のテープ(両面テープ式)
洗って繰り返し使える「魔法のテープ」は、リモコンホルダーやティッシュケース、小物入れなどを壁に固定するのに便利です。ただし壁紙の種類によっては剥がす際に壁紙が傷む場合もあるため、目立たない場所でテストしてから使いましょう。
石膏ボード用ピンフック
石膏ボードに細いピンを刺して使うタイプのフックは、穴がほとんど目立たないのが特徴です。壁に時計やフレーム、ウォールシェルフを取り付けるのに使われます。耐荷重が5kg以上のものもあり、意外と重いモノにも対応できます。
場所別の賃貸収納アイデア
キッチン
賃貸のキッチンは収納スペースが少ないことが多いですが、以下の方法で大幅に収納力をアップできます。
・冷蔵庫の側面にマグネット式のラックやフックを設置して、調味料やキッチンペーパーを収納
・レンジフードにS字フックを掛けて調理器具を吊るす
・シンク下につっぱり棒を渡して、スプレーボトルを吊り下げる
・冷蔵庫上のデッドスペースにカゴやボックスを置いて、普段使わない調理器具を収納
バスルーム・洗面所
湿気の多い水回りでは、吸盤式やマグネット式の収納アイテムが活躍します。タオルバーにS字フックを掛けてシャンプーボトルを吊るしたり、吸盤付きのバスケットを壁面に取り付けたりする方法が手軽です。
玄関
玄関ドアの裏にマグネット式のフックを取り付ければ、鍵や折りたたみ傘の定位置になります。ドア裏に掛けるタイプのシューズラックもあり、靴の収納力をアップできます。
リビング
リビングでは、ディアウォールやラブリコで壁面収納を作るのがおすすめです。テレビ周りに棚を設置してAV機器やリモコンをまとめたり、ディスプレイ棚としてお気に入りの雑貨や本を飾ったりできます。

有孔ボードで「見せる収納」を楽しむ
有孔ボード(ペグボード)は、等間隔に穴が開いたボードにフックやカゴを取り付けて使う収納アイテムです。ディアウォールやラブリコで立てた柱に固定すれば、壁に穴を開けずに設置できます。
有孔ボードの良さは、フックの位置を自由に変えられるため、収納するモノが変わっても柔軟に対応できる点です。キッチンで調理器具を掛けたり、玄関で帽子やバッグを掛けたり、デスク周りで文房具を整理したりと、場所を選ばず使えます。
ホームセンターで有孔ボードと専用フックを購入すれば、手軽に始められます。ボードを好きな色にペイントすれば、インテリアのアクセントにもなります。
賃貸収納で注意したいポイント
つっぱり式アイテムの定期チェック
つっぱり棒やつっぱりラックは、時間の経過とともに緩んでくることがあります。定期的にしっかり固定されているか確認し、必要に応じて増し締めしましょう。地震対策としても、定期チェックは大切です。
重いモノの収納は耐荷重を確認
粘着フックやつっぱり棒には耐荷重が設定されています。耐荷重を超えるモノを掛けると、落下して壁や床を傷つける原因になります。製品の耐荷重表示を確認してから使いましょう。
退去前に設置物をきれいに外す
退去時は、設置した収納アイテムをすべて取り外す必要があります。粘着テープ跡が残った場合は、除光液やシール剥がしできれいに落とせることが多いです。
粘着テープ式のアイテムは、壁紙の種類や状態によっては剥がす際に壁紙が傷むことがあります。心配な場合は、目立たない場所でテストしてから使いましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 賃貸で画鋲を使っても大丈夫ですか?
A. 国土交通省のガイドラインでは、画鋲やピンの穴は通常の使用の範囲内とされています。ただし、大量に穴を開けたり、大きなネジ穴を開けたりすると原状回復費用を請求される場合があります。契約書の特約を確認しておくと安心です。
Q. ディアウォールとラブリコ、どちらがおすすめですか?
A. 手軽に設置したいならバネ式のディアウォール、より安定した固定力を求めるならジャッキ式のラブリコがおすすめです。棚に重いモノ(本や食器など)を置く場合は、固定力の高いラブリコの方が安心です。詳しくはハンズマンのDIY解説ページも参考になります。
Q. マグネット収納は賃貸で使えますか?
A. 冷蔵庫の側面、玄関のスチールドア、ユニットバスの壁面など、磁石がくっつく場所であれば使えます。壁に穴を開ける必要がなく、取り外しも簡単なので賃貸に最適な収納方法のひとつです。
賃貸収納の参考になるサイト
さらにアイデアを知りたい方は、以下のサイトもチェックしてみてください。
・goodroom journal:賃貸の部屋づくり実例が豊富で、原状回復可能なDIYアイデアも多数掲載されています。
・sumica(スミカ):収納のプロが監修した賃貸向け収納術が充実しています。

まとめ
賃貸でも壁を傷つけずに収納を増やす方法はたくさんあります。つっぱり式アイテム、ディアウォールやラブリコ、粘着フック、マグネット収納など、原状回復を気にせず使えるアイテムを上手に活用しましょう。
「つっぱる」「貼る」「引っ掛ける」の3つの方法を組み合わせれば、賃貸の部屋でもスッキリとした収納空間を実現できます。まずは気になる場所からひとつ試してみてください。
